福島高校ニュース

[スーパーサイエンスハイスクール]

祝 日本 生物学オリンピック2015 金メダル

 広島県東広島市で8月25日~27日までに開かれた日本生物学オリンピック2015で本校生徒瀬川和磨君が第2位の入賞となりました。同大会は、20歳未満が対象で、各都道府県予選を突破した約80人が本戦に挑み、数理生物学、生理学、微生物学、植物学の4分野の実験に関する筆記問題で得点を競い合います。

 前年度は日本代表候補、銅賞入賞でしたが、今年度は見事2位入賞とともに成績上位10人に与えられる金賞も獲得しました。

 また、化学グランプリにおいても本戦出場を果たしました。本校では、今年度、物理、化学、生物の分野において本戦に出場する生徒を輩出することができました。 今後、進学先で個々の力をいかんなく発揮して欲しいと思います。本当におめでとう!


来年3月のフランス研修について


SSH部では、来年3月末のフランス海外研修の参加生徒の募集を開始しました。
興味のある生徒は、職員室前の申し込み用紙を持参してください。

中国 香港 CASTIC 銀メダル獲得!

8月19日~23日
中国 香港 で行われた「30th China Adolescents Science and Technology Innovation Contest」
(CASTIC, 第30回中国青少年科学技術イノベーションコンテスト)に日本代表として生徒2名が参加しました。
(昨年、SSH生徒研究発表会において文部科学大臣表彰を受賞したことを受けての出場となりました。)

CASTICは中国で地域の予選を勝ち抜いた研究を発表する大会で、中国全土から200件ほどの個人、グループが参加しました。
また、国際代表として、日本から2校(本校と熊本第二高校)のほか、アジア、欧米から17カ国の生徒が参加しました。

発表はポスター形式で行われ、本校生の発表は国際代表の中で、金メダル(3チーム)に次ぐ、銀メダルを獲得しました。
   

開会式では中国全土からの参加ということで、様々な民族衣装などを着た参加者が登壇しました。
また、発表でも民族衣装を着た高校生が発表などをしており、中国の広さを実感しました。

   

本校からの発表は「安定なベンザインの単離を目指した分子設計と合成に関する研究」です。化学の基礎研究テーマですが、
全体的に本校のような基礎研究は少なく、役に立つことが明確な応用研究がほとんどでした。どのくらい興味を持ってもらえるか
不安でしたが、意外と多くの方に聞いていただくことができました。専門的な質問やアドバイスもたくさんいただき、中国のレベルの
高さを伺うことができました。

日本の熊本第二高校の生徒さんだけでなく、中国以外の国々からきた高校生ともたくさん交流することができました。
このような機会をいただきましたJSTの関係の方々、同行していただいたJSTの関根様、熊本第二高校の平井先生、生徒の
皆さんには大変お世話になりました。この場をお借りして御礼申し上げます。

  

第39回全国総文祭 自然科学部門 参加

7月30日~8月1日
第39回全国高等学校総合文化祭が滋賀県で行われ、自然科学部門 ポスターの部 に生徒2名が福島県の代表として参加しました。
自然科学部門では、全国の高校から各県の予選を勝ち抜いた個人、グループが研究発表を行いました。
本校からは「鉄コロイドを用いたPVAゲルフィルムの開発」という研究タイトルで出展しました。
ポスター発表では多くの方に聞いていただき、示唆に富むアドバイスもいただきました。
       
自然科学部門では、研究発表以外に、交流や地域理解を目的とした野外巡検も行われます。
今回は、滋賀県ということで、琵琶湖を中心とした地域での巡検が行われました。
本校生は、琵琶湖博物館の見学とブルーギルの解剖のコースに参加しました。
琵琶湖博物館では、滋賀県内の高校生がガイド役となり、琵琶湖の魚等について、解説して下さいました。
ブルーギルの解剖も全て高校生に指導してもらい、貴重な体験ができました。

発表について、賞は受賞できませんでしたが、充実した発表会でした。
滋賀県の先生方、生徒の皆さんには大変お世話になりました。ありがとうございました。

       

化学グランプリ向け特別学習会

7月5日(日)
福島高校では、例年、化学オリンピック(化学グランプリ)への参加を推奨しており、これに向けた特別学習会を実施しました。
講師として、東京理科大学理学部教授 井上正之先生にお越しいただき、1日どっぷり化学の講義につかりました。

今回は特に有機化学を中心に講義をしていただきました。化学グランプリの過去問などを用いて、時に分子模型などをつかい、
非常にわかりやすく解説していただきました。

また、講義には本高生だけでなく、安積高校、仙台第二高校からも参加がありました。
井上先生、遠いところをお越しいただき、ありがとうございました。

また、この講義に際し、日本化学会よりご支援をいただきました。この場をお借りし、御礼申し上げます。

化学グランプリは7月20日(月)に実施されました。本高生はこの講義の効果もあり、好成績を収めました。
その結果はまた後ほどご報告できると思います。

   

H27 関東研修

8月6日(木)~7日(金)
 SSH探究クラスの1年生42名が1泊2日の研修を行いました。
           
 今年度は筑波市にある研究機関や科学館の中から生徒が自主的に施設を選択し、それらの施設で研修を受けました。どの施設においても最先端の研究開発がさかんに行われており、科学的なアイデアと好奇心を喚起するものでした。
          

           
 研修後は宿舎にて報告会を行いました。1年生は入学してからまだ間もないですが、どの班も施設で学習したことを的確に表現し、堂々とプレゼンテーションを行っていました。
 従来の科学技術を活用して新たな科学技術を生み出していく現場を直に感じ取ったことで、学習意欲を高めるとともに、科学についての見識を深めることができたのではないでしょうか。

2015 France-Japan Students Radiation Protection Workshop

8月3日(月)~7日(金)
 福島高校は国内外様々な地域の高校生と放射線量を測定し、データを分析して科学的な議論を重ねるといった交流を深めてきました。今年度はフランスから8名の生徒が来日し、13名の福高生とともにワークショップに参加しました。
1日目 東京
 フランスの生徒・先生方と東京大学で合流し、グループの編成と自己紹介を行いました。
 昼食後、大学内で早野龍五先生と中西友子先生から放射線の基礎と震災後の福島に関する基調講演をいただきました。その後、南麻布にあるフランス大使館まで移動し、フランス・日本交流プログラムについてプレゼンテーションを行いました。夜は宿舎にてディナーや書道を通して交流を育みました。
                  

2日目 東京、いわき、富岡、都路、福島
 都内からいわき市まで移動した後、磐城高校にて県内沿岸部の津波被害について説明を受け、意見を交わしました。その後は現在利用を休止している富岡駅を訪ね、津波被害の状況を視察しました。また、田村市都路にて農家の方々から震災による避難や帰還、農業の問題を中心にお話を伺いました。福島市に戻った後は梅苑会館でホームステイのホストファミリーと面会し、この日は解散となりました。
               

3日目 会津、浄土平、福島
 会津若松市の日新館と鶴ヶ城を訪れ、会津の歴史に親しみながら、震災以降の会津の観光状況についてお聞きしました。浄土平では、フィールドワークを通して火山の仕組みについて学習しました。その後は福島に戻り、実際に目にした各地域の被災状況について、積極的な討論が行われました。
               

4日目 国見、福島
 国見町役場で農作物等の風評被害対策について学習しました。その後は桃の選果場の様子を視察し、実際に桃農家の方から被害状況についてお話をいただきました。
 福島市に戻り、福島県立医大の宮崎真先生から甲状腺がんと放射線の関係について講義をしていただきました。その後、D-shuttle計測や陰膳調査の結果の分析を行い、福島の被ばく状況について理解を深めました。
               

5日目 福島
 これまでの活動を総括し、福島の現状と課題について議論し合い、これらの解決策などを互いに講じました。研修の最後に、日仏混合のグループごとにプレゼンテーションを行いました。
         

 この5日間では、日仏両国の生徒は英語を用いてコミュニケーションをとり、科学的な討論を重ねていました。ワークショップを通して放射線について学び、福島復興の手立てを探ることはもちろん、グローバルに活躍するための英語能力や表現力の重要性を再認識するとともに、これらの能力の向上に努めるなど、収穫が多かったようです。生徒の活動を御支援くださった皆さまには大変お世話になりました。ありがとうございました。

平成27年度 SSH生徒研究発表会 ポスター発表&総合司会

8/5(火)~8/6(木) インテックス大阪で開催された『平成27年度 SSH生徒研究発表会』に、ポスター発表3名と総合司会3名が参加してきました。


ポスター発表では、SS部生物班が好適環境水について展示・解説を行いました。
全国各地から集まった、高校生や教育関係者からの質問に答えたり、他校のポスター発表を見たりすることで、自身の研究に対する意欲も高まったようです。


総合司会として参加した3名は、大舞台の緊張感に負けることなく、堂々と司会を務めていました。
大きなイベントの舞台裏を経験したり、ナレーターの発声指導を受けたりと、貴重な経験を積むことができたようです。

三河台小学校 授業参観 『サイエンスショーに向けた取り組み』 参加

6/27(土) 福島市立三河台小学校で行われた授業参観において、第6学年の『サイエンスショーに向けた取り組み』に本校生徒35名が参加してきました。

保護者や下級生に向けて発表するサイエンスショーをより良いものにするために、小学生の質問に答えたり、一緒に実験を行ったりと、充実した時間を過ごしました。
質問に対してどのように答えれば小学生が理解しやすいだろうかと考えさせられたという生徒が多く、自らの科学的知識を見直すよいきっかけになったようです。

International Meetings of Radioprotection 参加


 3/23
25にフランスのCadaracheで開催されたInternational Meetings of RadioprotectionLes Rencontres Internationales de la Radioprotection)に参加しました。

 このMeeting2008年からフランスで開催され,福島高校は昨年より参加しています。今年は生徒3名が参加し,2つの口頭及びポスター発表を行いました。


 今年は高校生120名,教員・研究者など20名が参加して開催されました。参加国はフランスはじめ,モロッコ,ドイツ,モルドバ,ベラルーシなどに及びます。
 参加校の発表については以下をご覧ください。

 福島高校の発表題とスライドは以下のとおりです。
D-shuttle project: Individual Dose Measurement of High School Students Inside and Outside Fukushima
D-Shuttle Project.pdf
Discrepancy inside Fukushima, and between Inside and Outside Fukushima

 一方は福島の高校生の個人被曝線量を国内外の高校生と比較したもの、他方は福島の困難の一端をわかり易く示したものです。どちらも発表後,盛大な拍手をいただくことができました。参加者の感想は「最近はニュースで福島が取り上げられることがほとんどなく,ようすがわかってよかった」というものでした。生徒たちは,最後までプレゼン作成に余念がなく,発表の直前まで修正を行うなどよく頑張り,また質疑応答にもしっかりと答えることができ,とても満足気でした。
 午後からはポスター発表。こちらにも多勢が訪れ2時間休みなしの対応でしたが,多くの方々に関心を持っていただくことができました。口頭ポスターともに発表は成功裏に終えることができました。発表準備でお世話になりました皆様,本当にありがとうございました。





 翌日はLycée Notre-Dame (Boulogne校)の授業参観とキュリー博物館の見学。キュリー博物館では,館長さん直々にマリーの生涯について詳しく説明してくださり,ピエゾ効果を用いた天秤による線量測定法を演示していただきました。さらにマリーの執務室や実験室にも入れていただき、執務室では特別にマリーの机で記念撮影させていただきました。



 機内泊を含め7泊8日の旅はあっという間に過ぎ,充実した1週間となりました。

 以下は生徒の感想です。 
その①
 それぞれの国の高校生が、放射線防護に関する独自の課題を見つけて、それに対する意見を深めている姿に刺激を受けました。
 放射線についての評価はさまざまな場所で聞きますが、今まで放射線「防護」について議論する場があまりなかったので、新鮮でした。リスクとコストと人の心のバランスをはかることは難しい課題ですが、この発表会で視野が広がりました。自分なりに考えを深めることができそうです。
 私たちや早野先生のプレゼンのときは、会場の雰囲気が明らかに変わったのを感じました。まずは科学的事実を知ってもらって、それから福島の評価や、社会的な問題についてそれぞれに考えてくれればいいなあ、と思って取り組みました。
 ポスターセッションでは、たくさんの人に「午前中のプレゼンのおかげで、福島への認識が変わったよ」などと声をかけていただきました。自分の役割を少しは果たせたと充足感を感じました。一方、木戸ダムの水の質問でNOと答えた人が意外と多かったので、その人たちの意見を聞くことで、科学的事実と人の心の間にある溝の原因が少しわかった気がしました。

その②
 このワークショップに参加した人はセシウムよりもプルトニウムやウランに関心があることがわかった。また、放射性廃棄物が大きな問題となっており、多くの国(モルドバ、フランス、ドイツ、ウクライナ、モロッコ)で発表されていた。特にモルドバはロシアからの放射性廃棄物を多く取り扱うらしく、処理しきれない、費用がない、場所がないというのが大きな問題だった。そして放射性廃棄物の処理の仕方の仮説の一つにロケットをつかって宇宙に飛ばすというのが印象的だった。
 他に、放射性物質を用いた医療において、放射線は幹細胞にどのような影響を与えるのかという発表が印象に残った。
 またポスター発表では、水源の泥の汚染が問題となっている楢葉町の水道水について紹介した。あなたはこの水道水を飲むかどうかという質問に対して、5:4で「飲む」という方が多かった。理由として、政府が大丈夫といっている、科学的に大丈夫だと言われている、年をとっているから環境が変わるのがいやだ、というものがあげられた。また「飲まない」と答えた人のうち、ドイツの方はナチスのことがあり政府をあまり信用しないからというものや、泥が高い放射性物質を含んでいるから、と福島でも見られるような答えが多くみられた。もし、この質問が日本で行われたなら、逆の結果が得られるかもしれない。
 今回、海外の様々な考え方を知ることができてよかったと思う。

その③
 海外の人たちは福島に対して悪く思っているというよりは、よくわからない、といった意見がありました。情報が手に入りにくく、福島について知る事が出来ないという人たちが多かったように感じられます。その点に関しては、福島の現状を伝える事ができたと思います。私たちのプレゼンのあとで、福島に興味を持ってくれた高校生が増えました。ポスターセッションの際に福島の問題について話したり、より詳しく福島の現状を知りたいといった人達もいました。実際に海外の高校生達と話してみて、福島に対して偏見は無いが、情報が少ない、わからないなどといった事が問題であると考えます。今回のプログラムでほとんどの生徒が福島についてよくわかった、危険だと思っていたがデータをみて安全だと言う事がわかったなどと言っていました。明確なデータを示すことで福島の状態を知ってもらう、そういったことが重要、そして可能なのだとわかりました。
 また、ホームステイ先も良い方たちで、非常に楽しい時間を過ごす事ができました。今から8月が楽しみです。フランスではだいたい英語でも大丈夫ですが、やはりフランス語が出来ないと不便なので、フランス語の習得を新たな目標としたいと思いました。

最後に引率者の感想です。

 福島高校は、2つの発表を行った。1つ目は福島の高校生の個人被曝線量を国内外の高校生と比較したもの、2つ目は福島の困難の一端をわかり易く示したもので、前年以上に福島の状況をうまく伝えることができたと思う。また生徒自身も発表者を務めたことで、放射線や福島の状況への理解をかなり深めることができた。その点今回の発表に参加したことの教育的意義はとても高いといえる。

 成功裏に終えることができた背景には、まず線量計測に多数の学校と関係者の協力が得られたこと、事前研修を充分に行うことができたこと、英語力の高い生徒の参加があげられる。計測に協力して下さった国内外の多数の生徒と先生方、事前研修で貴重なご指導を頂いた講師の方々、線量計を提供して下さった千代田テクノル・堀場製作所、また本校英語科およびALTのバックアップに、心から感謝申し上げたい。

 ポスターセッションでは「楢葉町の水道水を飲むかどうか?」という本校生徒からの問いに対し、多くの参加者からお答えいただいた。結果は20対16で飲む方が多かったが、このワークショップの参加者でさえ、9人中4人は飲まないと答えることに問題の難しさを改めて感じた。

 帰国後も内外から多数のご意見を頂き、反響の大きさを感じている。その中で、いまだに高線量の避難地域が存在し当面帰還できない地域があることへの言及がない、というご意見を頂いた。もっともなことだと思う。ただし、今回の調査は高校生(わずかに教員も含む)の個人線量調査であり、一般人への調査とは異なることを強調したい。福島の現状を一言で語れないことは、福島県民の一人一人が感じていることであるが、大小の差はあっても放射線についての不安は多くの県民が抱える不安であり、今回の調査は福島県内の主要都市で暮らす高校生の個人線量を他地域と比較することで、福島の概況把握を試みたものである。また、D−シャトルデータは生活記録と見合わせることで生活場所ごとの線量比較が可能であり、高校生の生活はほぼ家庭と学校の往復で比較が容易であるとして調査対象に選んだ。この分析は今後の宿題である。許されるならば、さらに対象を広げた調査にも取り組んでみたい。

 ところでフランスの高校生が、発表の中で度々ALARA(as low as reasonably achievable)の原則に言及していたことが強く印象に残った。発表は、放射線の計測、医療での放射線利用、廃棄物管理など多岐にわたるものだったが、それぞれの研修場所でALARAの原則が取り上げられてきたことがわかる。被曝は、経済的・社会的な要因も考慮した上で合理的に達成できるかぎり低くしよう、という考え方がALARAの原則であり、そこにはリスクバランスの視点が込められている。リスクのバランス点をどこにするかは最終的には個人や社会の判断であり、適切な判断のために放射線防護に関わる多様なものの見方・考え方を知る必要がある。放射線防護に関わる多様な知見を文化と呼ぶ理由はここにあるのだと思う。高校生の発表で、ALARAの原則がたびたび紹介されたことからも、このワークショップがまさに放射線防護文化を高めるために開催されていることがよくわかった。

 リスク管理概念は放射線に限ったことではないが、放射能汚染というこれまでにない不安要因を抱えた私たちは、放射線防護文化を高めていく必要にせまられている。3・11以前の福島に放射線防護文化の充分な蓄積がなかったことは残念であるが、様々な国の高校生が各自の学びを持参して集まり発表を行うワークショップは、とても優れた高校生の学びの場である。福島高校の生徒たちにはぜひ来年以降も参加し、他の国々の高校生とともに放射線防護文化を高める活動に関わって欲しいと思う。
(以上)