福島高校ニュース

国際放射線防護ワークショップ2019(3日目)

☆☆☆ 3日目 ☆☆☆
○被災地を見学
開沼先生の解説を受けながらバスで被災地を巡りました。請戸小学校は地震のあとすぐに津波の被害を逃れるために大平山まで避難して全員が助かった小学校です。バスから降りて、実際に今は霊園となった大平山から請戸小学校を見学したりしました。また、夜の森の桜並木のバリケードも訪れ、帰還困難区域と避難指示が解除された境目も見学しました。道路一本の違いだけで復興の状況に大きな違いが見られることがわかり、またこの違いが賠償金の大きな違いとなり、住民の精神的分断の一因を作っていることも学びました。特定廃棄物埋立情報館リプルンふくしまにも訪れ、放射性物質に汚染されたごみの埋立処分について学びました。

○市川英樹さんの講話
元原発作業員で福島田んぼアートプロジェクト代表の市川英樹さんから、原発作業員での経験談や日本一の田んぼアートを目指すことになったきっかけについて話を聞きました。福島を元気づける熱い想いが伝わってきました。

○放射線の見える化の研究
放射線測定を2次元的・3次元的に短時間で測定可能なカメラの研究開発をされている日本原子力研究開発機構の佐藤先生の講義を受けました。生徒はピンホールカメラやコンプトンカメラの原理やそれぞれの利点について、あらかじめデジタルカメラで撮影した3次元画像データと放射線の3次元測定結果を組み合わせることで、作業員がホットスポットの場所をすばやく認識できるようになる装置を作ることができることを学びました。

○福島イノベーションコースト構想の講義
福島イノベーションコースト構想推進機構の鈴木さんに講義をしていただき、福島イノベーションコースト構想の概要を学びました。

○ワークショップ
生徒たちは昨日決めたテーマをもとに、班ごとに福島の現状を改善するための提案を考えました。今までの研修や体験で学んだことをもとに、今の福島の問題点を班ごとに明らかにし、それらの問題点を解決するための方法を具体的に意見を出し合いまとめました。途中で開沼先生らにご指摘をいただき、また完成した提案を再び評価の観点に照らし合わせて批判的思考で見つめ直して修正を加えました。明日の午前に最終的にポスター形式で提案をまとめて完成です。