学校行事・部活動通信

福島高校ニュース

無用の用

2025年12月17日 16時45分

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 今日は冬休み前の全校集会を行いました。インフルエンザなどの感染症が流行しているため,全校集会はオンラインで行い,生徒たちは各教室で校長先生の話をお聴きしました。

 全校集会に先立ち行われた賞状伝達式では,SS部・写真部・将棋部・囲碁部・剣道部・ハンドボール部・ラグビー部の皆さんに賞状が伝達されました。
 SS部は科学の甲子園福島県大会で総合優勝したチームをはじめ5つの大会の団体と個人,写真部は福島県高等学校総合文化祭で最優秀賞と優秀賞を受賞した個人2名。将棋部は全国高等学校文化連盟新人大会福島県大会で上位入賞した個人3名。囲碁部は福島県高校囲碁新人戦個人の優勝・準優勝の個人2名。剣道部は福島県高等学校新人体育大会で準優勝したチームと優秀選手賞を受賞した個人2名。ハンドボール部は,福島県高等学校新人体育大会で3位に入賞したチームと優秀選手賞を受賞した個人。ラグビー部は,福島県高校大会で3位に入賞した福島・安積・平工業・小名浜海星の合同チームです。皆さんの努力が目に見える結果となって現れた立派な成績です。おめでとうございます。さらに素晴らしい景色を見られるようこれからも頑張ってください。

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 校長先生からは,ノーベル化学賞を受賞した北川進京都大特別教授が座右の銘とし,受賞記念講演の題ともした「無用の用」という言葉についての話がありました。「無用の用」は中国の思想家「荘子」の言葉で,一見意味がないように感じるものが実は重要な役割を担っているという意味です。当時,北川教授の発見は「絶対にそんなの壊れる」とみんなに言われ相手にされなかったそうですが,「無用の用」を見出すようなご自身の感性を信じチャレンジし続けたことによって大発見につなげたとのことです。あわせて,かつて慶應義塾大学の塾長であった小泉信三の「すぐ役に立つことはすぐ役に立たなくなる」という言葉を紹介され,人文学の知識や数学,サイエンス,芸術のように,いま役に立たないようなことでも,いやそうであるからこそ,時代や場所を超えた普遍的な価値を持ち,将来必ず役に立つ。タイパ、コスパという言葉が飛び交う現代ではますます「効率化」「無駄の排除」が進んでいるが,目先の効率や結果だけでなく,世界全体を見渡し,人類の大きな時間の流れの中で,自己や社会,国家をみる感性を磨くべきであり,そのために高校と大学での学びはあるのだと話されました。最後に,これから受験に臨む3年生を始め生徒の皆に北川先生の言葉を送って話を終えられました。「やっぱりチャンスっていうのは、祈るもんじゃなくて自分で作り上げるものなんです。」

 教務主任は,壊れた陶磁器などを修復する金継ぎの技法を話しました。これは割れ目を修理して隠すのではなく,そこに金を乗せることで新たな価値を生み出す日本古来の技法で,割れ目を傷と呼ばず「景色」というのだそうです。この例えから「自分自身に安易に「ダメだ」「無理だ」などのレッテルを貼ることは,自分の新しい価値を消し去り自分の成長を止める行為です。自分自身にレッテルを貼らず,皆さんの中に眠る可能性に目を向けてください」というお話でした。

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 3年生は共通テストまでちょうど1カ月,1年生と2年生は明日から冬季課外が始まります。気が抜けない日々が続きますが,健康に留意して年末年始を迎えてください。令和8年1月8日(木)には,心豊かに成長した皆さんと会えることを楽しみにしています