福島高校ニュース

2017年11月の記事一覧

第30回福島県高等学校生徒理科研究発表会

11月19日(日)に会津学鳳高等学校で開催された理科研究発表会に51名が参加いたしました。
「アホロートルの変態に関する研究」がポスター発表、口頭発表の両部門で最優秀賞を受賞し、県代表として全国大会出場となりました。





今年度は、全部門で入賞することができました。結果は以下のとおりです。

ポスター発表
「アホロートルの変態に関する研究」最優秀賞
「マグネシウムイオン二次電池に関する研究Part2」優良賞

口頭発表
物理:「プラズマによる流体制御」優秀賞
化学:「マグネシウムイオン二次電池に関する研究Part2」優良賞
生物:「アホロートルの変態に関する研究」最優秀賞
地学:「信夫山の謎を追う」優秀賞

カリフォルニア州バークレーで福島の現状を発信しました

10月30日、カリフォルニア州サンフランシスコのバークレーで実施された、
“The Future of Fukushima: A New Generation Rises to the Challenge”
「福島の未来:新世代の挑戦」(翻訳 原)
で、福島高校生徒2名がふたば未来学園高校1名の生徒とともに福島の現状について発表を行いました。

all speaker of the Future of Fukushima
(全登壇者 会場のUCBerkeley David Brower Center Hall にて)
 これは、サンフランシスコの人々に福島の現状を伝えようというイベントで、内容は主に高校生と東京大学名誉教授早野龍五先生とのトークセッションです(注1)。

 サンフランシスコに入って最初に実施したのは、メディアの訪問です。資料持参(2)で訪問したのですが写真の通り「この様な福島のデータは初め見た」と食い入るようにご覧いただきました。福島高校生が中心となって作成した、高校生個人線量調査の論文(3)にもとても関心を示してくれました。「福島の現状を伝える情報はなかなか目にしないし、高校生がそれを持ってきた」と、驚きとともに聞いてくださいました。

Tokyo TV
NBC Bayarea
(上 TokyoTV    下 NBCBayarea)

 そして迎えた10月30日当日。Lawrence Berkeley研究所の村上治子先生のイントロダクションで開会し、続いて早野先生と生徒たちが登場。3人の生徒が早野先生とのトークセッションを繰り広げました。

david brower center
Haruko Wainwright
(上 David Brower Center Hall    下 村上治子先生)

 最初の生徒は、事故前に保護者が自治体の放射線計測にかかわっていた経験から、事故後の福島での生活に何の不安もなかったことや、自治体の除染を待てず保護者みずから自宅の除染を行ったという当時の家庭の様子を伝えました。また、福島高校の先輩がおこなった「福島県内外の高校生個人線量調査」についても触れ、福島県内外・海外での高校生外部被曝線量に大きな差がなかったことを紹介しました。
 2人目の生徒は、まず福島県産作物はきちんと検査されており、もはや福島県産の作物は、米から魚介に至るまで汚染を心配する必要がないことを数字を挙げて示しました。その上で安全にもかかわらず風評に苦しんでいる福島の農家が、風評払拭のためにどのような努力をしているか2つの例を報告しました。

Fukushima High School Student
Fukushima High School Student
(福島高校生徒と早野龍五先生)

 大熊町出身の3人目の生徒は、避難のために転居を繰り返してきたこと、その際保護者が友達と同じ学校に通えるよう配慮してくれたこと、満15歳となって自宅に戻ってみると荒れ放題になってしまっていたこと、地域の復興を成し遂げるために将来は廃炉にかかわる仕事に就くことを夢見ている、と話しました(4)。

Fukushima Futaba High School Student
(ふたば未来学園高校の生徒と早野龍五先生)

 さらに、イベントではサンフランシスコ州立大学と福島大学との交流で、2015年に福島に滞在経験のある米ジャーナリスト2名や、環境省の職員らからも福島の現状が語られました(5)。
 発表会の後は会場をホールに移し、高校生によるポスター展示発表のほか、避難解除になった楢葉町の写真や、飯舘村の方の様子を伝える写真の展示、郡山市出身のシンガー小峰公子さんによる歌など、盛りだくさんの懇談会がおこなわれました(6)。

 イベント終了後の2日間はさまざまな方々のお力添えで、なかなか入ることのできないTwitter、Apple、Googleの本社をそれぞれ訪問させていただきました。Twitterではbigデータ解析から得られる情報をどのようにサービスに生かしていくか、Appleではシリコンバレーで働くことの豊かさや女性活躍の場としてのIT技術者の魅力、Googleではアイディアを大切にする環境、などに触れるという貴重な体験をすることができました。

at Google
(Google本社にて)

 またバークレーのLawrence研究所は初めてサイクロトロン加速器を作ったローレンスの功績で設立された研究所であり、改修して現在も稼働中のサイクロトロンの見学や、丘の上の記念館前に置かれた最初のサイクロトロンの姿には、理科好きの心を充分ワクワクさせるものがありました。

at Lawrence Hall of Science
(ローレンスホール前のサイクロトロン)

  イベントでの発表はもとより、その前後も含め、この様なとても充実した貴重な機会を与えてくださった皆様方に、あらためて感謝申し上げます。

以下は生徒の感想です。

〇今回、アメリカに行き、UC Berkeleyでの発表を行うことができ、その機会を得られたことに心から感謝したい。私は今まで福島について調べ、伝える活動を行なっている中で、実際に福島の今の状況が正しく伝わっていないという現状を目の当たりしてきた。そのため、今回の発表後に「福島に対するイメージが180度変わった」「今後も福島について関心を持っていくべきだと思った」といった感想を聞くことができ、とても嬉しく思った。この発表では、会場に来てくれた一部の人にしか福島について伝えることは出来ていないのかもしれない。しかし、その方々が家族や友人に福島についての正しい情報を伝え、人から人へと少しずつでも広がっていけば良いと思う。今回のイベントは確実にその一歩になったと思う。参加者の一人から、実際に住んでいる人の話は初めて聞いたと伺い、当事者が自分たちの言葉で伝えることには大切な意味があるのだと実感した。改めて、今後も、日本だけでなく世界に伝えることをし続ける必要性を感じた。

〇本研修の旅程の概要は、メディア訪問、プレゼン、企業本社見学となっています。
 メディア訪問では高校生がイベントの内容を説明するという形をとったため、対応してくださった方も珍しがって興味を示してくれたと感じました。本番で取材にいらしてくれたメディアもあったので、効果はあったと思います。
 プレゼンは10月30日に行いました。前日までの練習と当日のリハの成果もあり、聴衆の反応はとても良かったと感じています。また、発表後の質疑を受けて、どのようなことが分からないのか(正しい情報がアメリカまで伝わっていないのか)を知ることもでき、実りあるプレゼンになりました。
 企業本社の見学では、Twitter・Google・appleの3社を見学しました。日本とは異なる労働体制から社会構造や価値観の違いを身をもって感じました。比較対象が出来たため、日本の年功序列の制度は改善すべきではというように日本社会に対して柔軟な視点で考えられるようになったと思います。
 総じて、私は福島の高校生に対する期待や応援をあらゆる場面で感じました。従って、自分の将来の目標を実現するという形でそれに応えたいと思います。
(以上)

(注)
(1)イベントの案内詳細は以下をごらんください。

同内容の動画(日本語)がアオイゼミから配信されています。
「放射射線特別授業:えっ、きみたち福島に住んでいるの?高校生と語る大地震からの6年、そして未来」
https://www.youtube.com/watch?v=lSIpqzw4xjA

「環境省 除染情報サイト」にも本イベントの紹介があります。
http://josen.env.go.jp/movie_event/berkeley.html

(2)持参した復興庁の資料(英語版)はこちらです。
おなじ資料の日本語版「風評被害の払拭に向けて」

(3)福島高校生の論文
持参したJournal of Radiological Protection に掲載された論文(英語)はこちらです。
元の論文(日本語)はこちらです。

(4)イベントのようすはTUFのニュースNスタ福島で配信されています。

(5)FACING FUKUSHIMA WE ARE HERE

(6)ご来場いただいた方から会場の360°写真をご提供いただきました。